台湾のAIスタートアップであるHeroic-Faithは、呼吸音のAIモニタリングシステムの開発を通したCOVID-19対策に取り組んでいる。同社はこのほど、スタートアップ支援にフォーカスする金融サービス企業であるIntegral Groupが主導するラウンドにおいて、新たに400万米ドルの資金を調達したことを明らかにした。
Heroic-Faithが先週公表したところによると、今回の資金調達はCOVID-19のパンデミックとそれに伴うリモートモニタリングシステムの需要増に伴うものであるとする。同社は呼吸モニタリングAIの精度向上のため、台湾の複数の医療機関から50万を超える呼吸音サンプルを収集し、過去6ヶ月間に渡ってラベル付けと解析を行ってきた。現在同社は、スタンドアローンで駆動するモバイルアプリケーションを実用化しており、自宅での呼吸モニタリングだけでなく、集中治療室や隔離病棟における活用も推進する。
呼吸音異常は非侵襲的な検出が可能である一方、病態の正確な識別には一定の臨床経験が欠かせない。単に呼吸数の変化を監視するのみならず、喘息やCOPD、肺炎、肺水腫など個別の呼吸音異常を自動検出し警告できる同システムには、慢性的な人員不足を抱える医療現場での需要も大きい。具体的な肺音測定方法などは過去記事を参照頂きたい。