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米オークリッジ国立研究所 – 3Dプリンティングの品質評価を行うAIソフトウェア

オークリッジ国立研究所は米国エネルギー省の管轄下にあり、科学技術全般に関する一大研究拠点として知られる。同研究所のチームは、パウダーベッド方式の3Dプリンター向けに、リアルタイムで生成の品質評価を行うAIソフトウェアを開発した。

先週、オークリッジ国立研究所が公表したところによると、Peregrine(ハヤブサの意)と名付けられた同ソフトウェアでは、設計から原料選択、ビルド、テストに至るまで、製造プロセスの全てのステップにおいてデータ収集と分析を行うという。収集データからは、部品形状と原料についてより最適な選択を提示し、高価な特性評価装置の導入なく持続的な品質向上を自動化することができる。

Peregrineを開発した同研究所・主任研究員のLuke Scime氏は「積層造形の大きな課題の1つは、数日・数週間とかかり得るビルド時間において、数十ミクロンといった極小スケールの不具合を、マイクロ秒単位で気にしなければならないことだった」とし、完成品からはいつどこで欠陥が生じたのかを正確に捉えることが難しい点を強調する。Peregrineによる品質管理・向上の自動化システムは、3Dプリンティングの適用範囲を更に押し広げることが予想され、厳密さの求められる臨床現場においてもまた、技術発達の恩恵が期待されている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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