ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)はこのほど、新規スタートアップ「Realyze Intelligence」を立ち上げたことを明らかにした。同社では高度なAIおよび自然言語処理技術を用いて、電子カルテデータから「転帰不良が見込まれるハイリスクグループ」を特定し、適切なケアを早期に提供することを目指す。
UPMCが3日明らかにしたところによると、Realyze Intelligenceが提供するAIプラットフォームでは、電子カルテに含まれる構造化データおよび非構造化データの双方を網羅的に解析し、健康リスクの高い集団を抽出することで医師の臨床的意思決定をサポートするという。同社を率いるGilan El Saadawi氏は「患者は一面的にのみ評価することはできない。多数の要因によって複雑化・個別化された病状を効果的にケアするには、電子カルテ記録の関連情報を活用する必要がある」とする。
UPMCによると、米国のヘルスケア業界において「臨床記録やメモからデータを抽出することを目的とした雇用」は年間87億ドルに及ぶという。Saadawi氏は「手作業で時間のかかるこのプロセスをRealyzeは合理化し、患者のストーリーを素早く解読することができる」としてプラットフォームの有用性を強調する。
Realyze Intelligenceは、UPMCにおいてイノベーションと商業化を担当するUPMC Enterprisesの支援によって設立された。詳細は同社ホームページを参照のこと。
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