免疫チェックポイント阻害薬は、免疫抑制シグナルの伝達を阻害することで、免疫細胞の働きを活性化し、がん細胞への攻撃を促すもの。米フロリダ州タンパに所在する非営利のがん治療・研究センターであるMoffittの研究チームは、PET/CT画像からPD-L1の発現状態を識別し、免疫療法に対する肺がん患者の治療反応性を予測する深層学習モデルを開発した。
Journal for ImmunoTherapy of Cancerからこのほど公開された研究論文によると、3つの医療機関から計697人の非小細胞肺がん患者データを集め、このアルゴリズムをトレーニングしたという。結果、PD-L1陽性患者と陰性患者をAUC 0.82以上と比較的高精度に識別した上、アルゴリズムによって導かれたスコアは、全生存期間の予測において、生検による免疫組織学的評価によるものと明らかな差を認めなかった。
研究成果は「免疫チェックポイント阻害薬に反応するかを判断するためだけの生検」を回避させ得るもので、肺がん免疫療法における臨床的意思決定を支援する非侵襲的評価法の実現可能性が高いことを示唆している。
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