Medidata – 合成対照群生成で臨床研究を変革

一般的に新薬の効果および安全性を評価するには、「治験薬の投与を受ける群」と「標準治療を受ける群」を用意し、これを前向きに観察することで検証を行う。ただし、希少疾患などそもそも対象となる患者数が少ない場合や、倫理的問題を有するケースなどにおいて、対照群(コントロール)の確保は容易ではない。

米ニューヨークに本拠を置くMedidataは、ライフサイエンスにおけるITソリューションを提供するグローバル企業として知られるが、この対照群データを「合成」するという革新的技術を持っている。同社プラットフォームでは700万を超える匿名化患者データベースを用い、高度なマッチングアルゴリズムによって、臨床研究の目的に最適となる対照群を合成する。これは従来には非常に困難であった研究計画を実現するのみでなく、試験期間の短縮やコスト削減にも大きく資する。

Medidataが30日明らかにしたところによると、Synthetic Control Arm(SCA)と名付けられた同システムは、本年のAI Breakthrough Awardsにおいて「Best AI-based Solution for Healthcare」を受賞した。AI Breakthrough Awardsは、AIテクノロジーやイノベーターを表彰するために設立されたもので、今年のプログラムには2,200以上のノミネートがあったという。Medidataが提供する革新的プラットフォームとその技術は、これからの医学的エビデンス構築を支え、加速させる鍵となる可能性が高い。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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