AmazonやMicrosoft出身の起業家3名が集い、米アレン人工知能研究所(AI2)の支援を受けて「医療費請求の効率化」を狙った新規スタートアップ・MajorBoostを立ち上げた。ヘルスケアプロバイダーは時代遅れの事務プロセスと保険システムの非効率性のために、年間350億ドルを失っていると推計されており、医療費請求の効率化は医療システムにおける喫緊の課題の一つと言える。
今月15日に発足したMajorBoostは、CEOであるLekshmi Venu氏が中心となった新しい医療AIスタートアップだ。Venu氏はAmazon出身で、データサイエンスやAIチームのリード経験を持つとともに、他スタートアップの共同設立にも関わった経歴を持つ。今回、元Microsoftのエンジニア2名もMajorBoostの立ち上げに参画しており、AI2の支援を受けて「医療費請求向けAIベースコミュニケーションおよび意思決定支援ソフトウェア」の開発を進める。
同社プレスリリースによると、現状、健康保険関係のナビゲートに医療機関は多大な労力を強いられており、まずはAIによる電話対応自動化などを介して「医療者を元来の医療に戻す」ための技術確立を目指すという。なお、AI2は人工知能領域での価値ある研究開発を目指し、2014年に設立された。現在200名以上のトップ研究者・エンジニアを雇用する同研究所からは、その商業化部門であるAI2 Incubatorを介して10社以上のスタートアップをスピンアウトしている。
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