医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療システム・医療問題へのAI活用事例運転データから高齢ドライバーの認知症を予測するAI研究

運転データから高齢ドライバーの認知症を予測するAI研究

高齢ドライバーの軽度認知機能障害(MCI)や認知症が運転に与える影響、運転免許制度との関係について議論が続いている(過去記事)。米コロンビア大学のグループは「車載記録装置からの運転データに基づき、機械学習モデルで高齢ドライバーのMCI/認知症を検出する研究」を行っている。

コロンビア大学のリリースでは、学術誌 Geriatricsに発表されている研究成果を紹介している。本研究は、65~79歳の現役ドライバーが参加した2,977名の調査プロジェクト「LongROAD(Longitudinal Research on Aging Drivers)」において、運転データから機械学習モデル(ランダムフォレスト)を構築したというもの。参加者のうちMCIの診断を持つ者が33名、認知症の診断を持つ者が31名含まれていた。年齢・性別・人種/民族・教育レベルなど基本的な属性データに運転データを含めると、MCI/認知症を予測するモデルの精度はF1スコア88%を達成している。また、属性データのみの場合で精度29%、運転データのみで精度66%となっていた。

単一変数として最も高い予測力を示したものは年齢であり、次いで、自宅から15マイル以内の運転割合、人種/民族、1回あたりの運転時間、減速度0.35G以上の強いブレーキの回数、であった。著者のひとりであるGuohua Li教授は「アルゴリズムの検証が進めば、高齢ドライバーのMCI/認知症の早期発見と管理のための、目立ち過ぎない新たなスクリーニングツールとなるだろう」と語っている。

関連記事:

  1. AI自動運転への過渡期に何を考えるか -高齢ドライバーと軽度認知機能障害 【臨床医が考察】
  2. 認知症を持つ人々のためにテクノロジーができること
  3. 認知症支援チャットボットの可能性と改善点
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事