米政府 – 小児向け遠隔医療拡充に向けた投資へ

米国保健福祉省(HHS)はこのほど、小児医療に遠隔医療サービスを統合するため、American Rescue Planから1070万ドル(約11.8億円)を拠出することを明らかにした。主に小児精神医療へのアクセス向上を狙うものとなる。

米国疾病予防管理センターの推計によると、米国居住小児の20%もがメンタルヘルスの不調に陥ると指摘されている。一方で、専門医療機関でのケアを受けているのは5分の1に過ぎず、特に有色人種の子どもたちは適切なサービスに届いていない現状がある。HHSが明らかにした今回の資金拠出は、このようなギャップの解消を目的として、米保健資源事業局がイニシアチブを取る「Pediatric Mental Healthcare Access Program(小児メンタルヘルスケアアクセスプログラム)」の活動範囲を拡大するために使用される。

2018年に開始されたこのプログラムは、精神疾患や物質使用障害(病的行動パターンを伴う物質関連障害)のある小児の診断・治療・紹介を行うプロバイダーに対して、遠隔相談やトレーニング、技術導入、ケアコーディネーションを支援してきた。今回の拡張により、小児メンタルヘルスケアアクセスプログラムの対象地域は40州に加え、コロンビア特別区、米領ヴァージン諸島、パラオ共和国にまで広がる。  

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。