オーストラリアは皮膚がん、特にメラノーマ(悪性黒色種)の発症率が世界で最も高く、年間約28,000人が新たに診断されるとの推計がある。そのため同国は、皮膚がん診断に関する先端技術への研究開発が盛んな土地柄として知られる。
クイーンズランド大学は、3Dイメージングシステムで全身のほくろやシミを追跡し、メラノーマの早期発見を行う世界最大規模のプロジェクト「ACEMID: Australian Centre of Excellence in Melanoma Imaging and Diagnosis」を主導している。同臨床試験では、米Canfield Scientific社の装置「VECTRA WB360」を用い、全身の皮膚を3D画像化しAIによる解析を加えて、メラノーマのスクリーニングを行っている。
ACEMIDでは、皮膚がん研究でオーストラリアを代表する3つの大学、クイーンズランド大学・シドニー大学・モナシュ大学が連携し、遠隔医療ネットワークによる全国データベースが構築され、研究者は撮影された10万枚規模の患者画像にアクセスできる。ACEMIDの概要はクイーンズランド大学医学部のYouTubeチャンネルでも公開されており、こちらも併せて視聴いただきたい。
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