フランス・パリを本拠とする製薬企業であるサノフィはこのほど、がん治療領域におけるAI開発の促進を目指し、Owkinに対して総額1億8000万ドル(約205.5億円)のエクイティ投資を行うことを公表した。Owkinは厳格なプライバシー保護のもと、分散したデータセットを安全に接続し単一のAIモデルをトレーニングすることを可能とする、「フェデレーテッド・ラーニング」を採用したグローバルな研究ネットワークを構築している。
サノフィが明らかにしたところによると、新しい戦略的共同研究計画では、がん領域における4種類の開発プログラムで構成されているという。今後3年間のサノフィによる支払い額は9000万ドルとなり、これに研究マイルストーンに基づいた追加の支払いが予定される。OwkinはAIと精密医療を担う代表的な医療AIスタートアップで、クラス最高の予測モデルと堅牢なデータセットの構築によって領域をリードしてきた。
サノフィでバイスプレジデントを務めるArnaud Robert氏は「Owkinのアプローチはユニークで革新的なものだ。我々は精密医療を次のレベルに進め、患者にとって最大の利益をもたらす治療法を導くために努力する」と述べる。サノフィは今後、Owkinが提供する包括的なプラットフォームを活用し、マルチモーダルな患者データから新規バイオマーカーの探索、治療ターゲットの同定、予測モデル構築、治療反応性予測などを行う予定とのこと。
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