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疾患発症に伴う細胞変化を捉えるAI技術

米ジョージア医科大学の研究チームは、疾患発症によって「細胞がどのように変化するか」を迅速かつ客観的に把握できる新手法を開発した。研究成果はPatternsからこのほど公開され、新しい画像解析パイプラインの有効性について多大な期待が集まっている。

チームの研究論文によると、TDAExploreと呼ばれるAI駆動の画像解析手法では、顕微撮影された画像にトポロジーの概念を取り入れることで、疾患発症に伴う細胞内変化とその発現部位を正確に捉えることができるという。ここでは「特定タンパクの移動や密度変化」の捕捉を、「パッチ」と呼ばれる断片に分解して学習する「画像トポロジーデータ解析」によって実現している。また、著者らは「システムの有効性はその学習過程にある」とし、識別・分類などのタスクに対して必要となる学習データが従来の10分の1以下程度にも抑えられる可能性に言及する。

米国立衛生研究所(NIH)の支援を受けて行われた本研究は、論文上で独自アプローチの仔細が解説され、科学者らによる追試と適用拡大を促している。

論文:

TDAExplore: Quantitative analysis of fluorescence microscopy images through topology-based machine learning

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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