韓国HoneyNaps社 – 不眠症デジタル治療プラットフォームを開始

韓国のヘルスケアスタートアップ「HoneyNaps」が開発した、詳細な睡眠ステータスを解析するポリソムノグラフィ用AI「SOMNUM」を以前に紹介した(過去記事)。同社は不眠症の解析・診断に加え、デジタル治療事業の開始を発表している。デジタル治療はソフトウェア医療機器(SaMD)によって、薬物療法など従来の治療法を代替あるいは補完することが期待される手法で、近年市場の成長が著しい。

HoneyNapsの1日付リリースによると、同社が開始したデジタル治療プラットフォームは、睡眠疾患診断AI「SOMNUM」、非接触型睡眠分析・コーチング「My SOMNUM」、不眠症デジタル治療薬「SOMNUM Medella」で構成されている。不眠症のデジタル治療は、認知行動療法をベースとして、薬物療法のみに依存しない不眠症治療を目指している。個人の睡眠データを正確に解析し、個別化された継続的なデジタル管理で行動変容を促すことで、睡眠障害からの回復効果を高めるという。

HoneyNapsの担当者によると、デジタル治療薬SOMNUM Medellaは、現在米国FDA承認による審査中であり、大手製薬会社とのライセンス契約や国際展開に向けた交渉を行っているとのこと。テクノロジーによる睡眠改善を狙う主要なプレイヤーとして、今後の動向には業界からの注目が集まっている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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