身体的に複雑な病状を有する患者においては、メンタルヘルスの不調を同時に抱えていることも少なくない。患者の日常行動を分析することで、健康に影響を与えている要素を包括的に捉える「Behavioral Health(行動健康学)」という概念が、メンタルヘルス領域から派生して近年関心を集めている。米HealthRhythms社はAIベースのスマートフォンアプリで、加速度計などのセンサーからユーザーの行動を測定し、メンタルヘルスの状態を予測・評価するサービスを提供している。
HealthRhythmsのプレスリリースでは、同社のデジタルプラットフォームの利用患者を拡大するため、コロラド州を拠点として約230万人に医療サービスを提供する「UCHealth」との提携を発表している。UCHealth内で同意を得た患者全てのスマートフォンにHealthRhythms のアプリを導入することを目標としており、メンタルヘルスを継続的にモニタリングしていく。HealthRhythms独自の予測モデルは、behavioral healthに関する問題を早期に発見し、介入すべき患者をトリアージして治療に結びつける。
HealthRhythmsが取り組むのは、メンタルヘルスで課題となってきた「アクセス」と「質」の改善である。同社はうつ病管理の改善などで効果の実証を進めており、デジタル治療手法におけるゲームチェンジャーとなり得る。HealthRhythmsは1100万ドルに及ぶシードラウンドとしての資金調達完了を発表しており、医療プロバイダーとの提携によってさらなるサービスの拡大を進めている。
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