米スクリプス研究所の研究者らは、23andMeが保有する遺伝子情報に基づき、冠動脈疾患の遺伝的リスクを算出できるスマートフォンアプリ「MyGeneRank」を開発した。
このほどnpj Digital Medicineから公開された研究論文では、MyGeneRankにおいてDNAデータから冠動脈疾患リスクを出力する方法を詳述している。721名の研究参加者における検証では、MyGeneRankの評価として高リスクのスコアを持つ人は、低リスクのスコアを持つ人に比べ、スタチンなどの脂質低下療法を開始する確率が有意に高かった。
スクリプス研究所のAli Torkamani博士は「冠動脈疾患を含む心疾患は世界最大の死因でもあり、アプリを用いたこのような戦略が公衆衛生に大きく貢献する可能性がある」と述べる。身近なスマートフォンアプリ上で冠動脈疾患リスクを計算し、その情報を伝えることで、潜在的にハイリスクな人々の早期受診と必要に応じた「脂質低下薬の服用」につなげられるため、冠動脈疾患の発症や増悪、またこれに関連した死亡を抑制することに大きな可能性を持つ。
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