医療AI企業である米Tempusは21日、AIによって早期段階で適切な治療オプションを特定する病理プラットフォーム「EDGE」の立ち上げを公表した。このAIプラットフォームを利用することで、病理医はヘマトキシリン・エオジン(H&E)染色のスライド1枚から、多様な知見を取得することができるようになる。
Tempusは50ペタバイトを超える非識別化マルチモーダルデータにアクセスしており、臨床試験中のものを含む分子標的治療の対象となり得る患者や、追加検査の恩恵を強く受ける患者を、がん治療の初期段階で同定することを目的として、AIモデルを開発してきた。同社のAbdul Hamid Halabi氏は「このプラットフォームは、実用的なAIを病理医の手元にもたらし、最適な治療経路の特定を支援するとともに、新しい分子標的治療法を開発する研究者のため、新しいバイオマーカーの発見を促進する」と述べる。
Tempusは、NAPAと呼ばれる病理ラボネットワークを米全土に構築している。NAPAでは、特定バイオマーカーを持つ可能性が高い患者を同定するために設計された、Tempusの治験用AIモデルのポートフォリオを利用することができる。Tempusは、EDGEプラットフォームとNAPAネットワークを活用し、独自のバイオマーカーを特定するとともに、新しいAIアプリケーションを共同開発するため、世界有数の製薬会社やバイオテクノロジー企業群との協調を進めている。
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