医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療系AIスタートアップ・ベンチャー企業の動向Net Health社「Tissue Analytics」 - パンデミック後に求められるモバイル創傷管理プラットフォーム

Net Health社「Tissue Analytics」 – パンデミック後に求められるモバイル創傷管理プラットフォーム

パンデミック後の世界において、創傷治療に対する遠隔プラットフォームの価値が注目されている。電子カルテ事業を中核とし、AIアプリなどを展開する「Net Health社」は、創傷の評価と管理を行うプラットフォーム「Tissue Analytics」の開発を進めている。

Tissue Analyticsは、創傷画像を取り込み、創傷の径・周長・表面積・組成を解析し、独自のマッピングにより治療計画を支援する。本アプリについては、オーストラリアのニューサウスウェールズ州保健局のサポートにより性能検証が行われ、その成果が International Wound Journalに掲載された。本研究では124名の患者における184ヶ所の創傷を対象とし、標準治療群との比較検証が行われている。その結果、AIアプリの利用により、創傷の文章記録と客観的評価手法が改善し、患者のアドヒアランス(治療遵守)が向上するなど治療効率の向上が確認された。

Net Health社の発表によると、本研究では、創傷分析モバイルプラットフォームの利点として、1.患者が創傷治療に積極的に参加できるようになる、2.創傷評価の精度が向上する、3.ケアに一貫性が生まれ医療者・患者双方の満足度が向上する、の3点を挙げ、調査報告をまとめている。臨床研究責任者のKeith Tode氏は「使いやすく、患者の興味を引き、バーチャルでの受診と相談が可能で、リアルタイムに洞察を提供するツールが求められている。本研究から、モバイル創傷管理プラットフォームに必要な機能を提供できることが示せた」と語っている。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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