イスラエル発スタートアップ「Sanolla社」は、人間の耳では聴取が難しい「超低周波(infrasound)」をAI聴診器で拾うことで、可聴域だけでは得られない診断情報を検出する次世代技術の開発を進めている。超低周波情報によって、心疾患・呼吸器疾患の増悪を早期に検出するなど、健康管理手法の変革が期待される。
Sanolla社は、同社の超低周波対応AI聴診器「VoqX」が米食品医薬品局(FDA)の臨床使用認可510(k)を取得したことを発表している。VoqXは3〜40Hzの低周波情報を解析するAIアルゴリズムを備え、慢性閉塞性肺疾患(COPD)・肺炎・喘息・各種心疾患などの分類を行う。さらにノイズキャンセリング技術と組み合わせることで、従来の聴診器では成し得なかった聴診体験の提供を目指す。
VoqXの臨床使用と並行し、Sanolla社は慢性心疾患・肺疾患の検出と管理を行う家庭用モニタリングデバイス「PyXy」の開発も行っている。これらの新技術をSanolla社は「The Sounds of Life」と総称し、従来型の聴診手法の置き換えを目指す。同社は、2022年夏にラウンドA資金調達の開始を予定している。
関連記事: