米テスサス州オースティンとイスラエルのテルアビブに拠点を持つNeuraLightは、2021年設立の医療AIスタートアップだ。コンピュータビジョンおよび深層学習技術に基づき、「患者の目の動きから神経変性疾患を識別」するユニークなアプローチに取り組む。同社はこのほど、シリーズAラウンドとして2500万ドル(約32.5億円)の資金調達に成功したことを明らかにした。
同社プラットフォームでは、一般的なウェブカメラやスマートフォンカメラを利用して顔動画を撮影することで、眼球運動の特徴からアルツハイマー病やパーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患の診断および病状評価を行えるという。このデジタルバイオマーカーが、現在利用されている複数の臨床エンドポイントの代理指標となることが示唆されており、直近では製薬会社による治験への活用などが見込まれている。
同社は設立以降、科学顧問として2人のノーベル賞受賞者を迎えるなど、世界的研究者・臨床医による強力なサポートを受ける。ノーベル賞受賞者で米スタンフォード大学医学部分子細胞生理学分野のThomas Südhof教授は、「神経学において、客観的で感度の高いバイオマーカーを確立するというアンメット・ニーズは計り知れない。NeuraLightのアプローチは、このニーズに的確に応えることができる有望なものだ」と述べる。
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