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成人向け画像解析AIが小児にも適用できる可能性

このほどScientific Reportsから公開された、韓国・延世大学校のチームによる研究論文では、成人向けに開発された胸部X線画像解析AIソフトウェアが「小児患者に対しても有効に機能する可能性」を指摘している。小児向けAIソフトウェアが不足する現状において、既存の成人向けAIの適用余地を探る野心的研究成果に関心が集まっている。

チームの研究論文によると、2021年3月から5月にかけて胸部X線写真を撮影した小児患者(18歳以下)をレトロスペクティブに評価対象としている。AIベースの病変検出ソフトウェアにより、結節や線維化、無気肺、心肥大、胸水、気胸などの有無を評価した。放射線科医の読影と比較することで、ソフトウェアの診断性能を調査したところ、胸部X線写真2,273枚について、AIベースのソフトウェアは感度67.2%、特異度91.1%、陽性適中率93.9%、陰性適中率87.5%を示した。興味深いことに、心肥大と2歳以下の小児を除外すると、いずれのパフォーマンスも大幅な向上がみられることを確認している。

著者らは「適切にAIの適用条件を設定すれば、成人向けソフトウェアが小児にも活用できる可能性」を指摘するとともに、さらなる検証の必要性も強調している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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