米マサチューセッツ総合病院(MGH)の研究チームは、AIを用いた心理学的幸福感の調査により、「長期的な人生の満足度」を向上させるためのフレームワークを開発した。幸福感向上に向けたパーソナライズされた道筋は、メンタルヘルスに対する医学的介入への活用だけでなく、自己啓発支援のための一般向けアプリケーション化の可能性が示されている。
これまでの長寿研究により、心理学的幸福感が身体の健康、楽観主義、前向きな健康行動、早期死亡のリスク低下、などと有意に関連することが明らかにされている。Agingから公表された研究論文によると、MGHの研究チームは心理学的質問調査の結果に基づき、ディープニューラルネットワークモデルによって、人が最もうつになりやすい心理構成を特定した上で、危険なメンタル状態からの離脱を助けるアルゴリズムを構築した。「自己組織化マップ」としてまとめられる本研究成果は、幸福度とうつ傾向の評価によって、幸福度を最大化するための行動的・心理的な最短経路を示すことができる。
研究者らは「自己組織化マップは、認知行動療法やその他のメンタルヘルスへの介入タイミング・内容を決定するために使用できる。また、セラピーセッション中に追跡調査することで、幸福度の向上に向けた道筋も提供できる」とする。自助アプリとしての潜在的有効性があることを指摘するなど、研究知見の発展性を強調している。
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