咳データの収集・解析向けAIプラットフォームを提供するHyfe社は、2020年の立ち上げ以来、世界最大級となる2.8億件の咳サンプルデータを収集して独自のAIモデル構築を進めてきた。同社は19日付で、AIによる咳トラッキング技術を、製薬大手MSD(メルク)社の患者啓蒙活動へ統合する事業提携を発表した。
Hyfeのアプリは、携帯電話などのスマートデバイスを通じて、咳の音や頻度をモニタリングし、見過ごされやすい疾患特異的な咳のパターンを捉えるとともに、潜在的な咳の誘因を明らかにするもの。同社はこれまでにも製薬会社・研究機関・政府機関・個人ユーザーへプラットフォームとデータを提供し、慢性咳嗽に悩む患者(米国成人で推定1200万人)を支援してきた。
Hyfeの最高医療責任者であるPeter Small氏は「多くの人々は、自分が1日にどのくらい咳をしているか正確に把握できていない。咳の情報を診断や治療に役立てるためには、血圧・体温・心拍などのバイオマーカーと同様の精度でモニタリングする必要がある」と語った。
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