医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例最新医療AI研究眼球偏位から脳主幹動脈閉塞を検出するAI

眼球偏位から脳主幹動脈閉塞を検出するAI

急性期脳梗塞でみられる症状の1つに、左右の視線が異常な逸脱を示す「眼球偏位」がある。眼球偏位がある患者では主幹動脈閉塞(LVO: large vessel occlusion)の存在が示唆されるが、LVOは早期に発見されるほど血管内治療の適応となり患者の予後改善につながる。画像診断AI企業のQure.aiでは、「非造影CT画像に基づき眼球偏位からLVOを検出するAI」を開発し、その成果がSociety of NeuroInterventional Surgery(SNIS)の2022年次総会で発表された。

同研究では「眼球の視線方向」と「脳の正中線」との間の角度をCT画像に基づいて測定することで、眼球偏位からLVOの有無を予測する機械学習モデルをトレーニングしている。このモデルは眼球偏位を唯一の指標として、LVOを感度80.8%、特異度80.1%で検出できたという。研究チームは「このAIを脳梗塞のトリアージプロセスの支援に利用すること」を狙う。

Pacific Stroke and Aneurysm CenterのJason Tarpley氏は「急性期脳梗塞に対する血管内血栓除去術は、最も効果的な治療法の1つだが、治療効果は時間に極めて依存している。この研究結果は、医療機関におけるトリアージプロセスでLVOの特定を早める可能性を持つ進歩だ」と語った

関連記事:

  1. The AI Podcast – Qure.aiが描くヘルスケアの未来
  2. Qure.aiと富士フイルムインド現地法人がX線画像AI診断で提携
  3. 脳卒中の遠隔治療プログラムが有用性を示す

TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事