COVID-19のパンデミックは、「医療者の燃え尽き」を助長させたことが多くの研究から明らかになっており、米国では2022年段階で医師の約半数が燃え尽きを自覚しているとの報告もある。本来行うべき質の高い患者ケアに集中できず、管理上の負担に圧倒されている状況に対し、米メリーランド州・デラウェア州を中心に医療機関ネットワークを運営する「TidalHealth」は、診断支援AIソフトウェア企業「Regard」との提携により、医療者の燃え尽きを軽減すための技術導入を進めている。
Regardが2日明らかにしたところによると、同社のAIシステムは、電子カルテから患者の病歴全体を集約する「チャートレビュー」を自動化するもの。病状の見落としを防ぐとともに、医師が臨床メモに費やす時間を20%削減できるという。文章管理の時間削減は、直接的に「医療の実践時間」が増えることを意味し、雑務の過多による疲弊を回避できる。同社の直近の調査では、製品を使用することで「臨床医の燃え尽き症候群の指標が56%減少した」ことも明らかにしている。
TidalHealthの最高医療情報責任者であるMark Weisman氏は「医療者は技術ではなく患者に焦点を当てる必要がある。今回のような技術導入は、医療者の幸福に真の影響を与えられるものだ。Regardと力を合わせ、我々の卓越した医療水準を維持するため、ワークフローを合理化し、現場を強化していきたい」と語った。
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