研究向けAIプラットフォームで急成長したOwkinはこのほど、「同社の乳がんおよび大腸がん向けAIソリューションが、欧州における規制当局の承認(CEマーク)を受けたこと」を明らかにした。疾患診断用途のAIについて承認を取得するのは、Owkinとしては初めてこのことで、ポートフォリオの拡充による価値向上に注目が集まっている。
今回承認を受けたのはいずれも病理学領域のAIで、乳がん患者が治療後に再発するかどうかを予測する「RlapsRisk BC」、および大腸がんの腫瘍マーカーである「マイクロサテライト不安定性(MSI)」を事前にスクリーニングする「MSIntuit CRC」だ。同社は「これらは世界的に先行事例が無く、安価で迅速に結果が得られること」を強調しており、特に検査の実施ラボは施設内で結果を得ることができ、分析のためにデータを転送する必要が無いことも特徴として挙げている。
乳がん向けソリューションは「どの患者に標的治療が有効か」、あるいは「どの患者が化学療法を回避できるのか」を判断するのに役立つとし、一方の大腸ソリューションでは、「患者を最も効果的な治療法に早くマッチングさせること」を可能にするという。Owkinは、米CB Insightsが例年公表する「世界の有望AIスタートアップ(AI 100)」の2022年版にも選出されている。
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