Owkin – 乳がん・大腸がん向けAIソリューションが欧州で承認

研究向けAIプラットフォームで急成長したOwkinはこのほど、「同社の乳がんおよび大腸がん向けAIソリューションが、欧州における規制当局の承認(CEマーク)を受けたこと」を明らかにした。疾患診断用途のAIについて承認を取得するのは、Owkinとしては初めてこのことで、ポートフォリオの拡充による価値向上に注目が集まっている。

今回承認を受けたのはいずれも病理学領域のAIで、乳がん患者が治療後に再発するかどうかを予測する「RlapsRisk BC」、および大腸がんの腫瘍マーカーである「マイクロサテライト不安定性(MSI)」を事前にスクリーニングする「MSIntuit CRC」だ。同社は「これらは世界的に先行事例が無く、安価で迅速に結果が得られること」を強調しており、特に検査の実施ラボは施設内で結果を得ることができ、分析のためにデータを転送する必要が無いことも特徴として挙げている。

乳がん向けソリューションは「どの患者に標的治療が有効か」、あるいは「どの患者が化学療法を回避できるのか」を判断するのに役立つとし、一方の大腸ソリューションでは、「患者を最も効果的な治療法に早くマッチングさせること」を可能にするという。Owkinは、米CB Insightsが例年公表する「世界の有望AIスタートアップ(AI 100)」の2022年版にも選出されている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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