米食品医薬品局(FDA)が公開するAI医療機器の承認済みリストに、先日新たに178のデバイスが加えられた件を報じた(過去記事)。2015年から2021年にかけての承認数は単調に増加してきたが、今年も現在のペースが維持されると昨年(115件)を上回ることが予想されている。
2022年は現在まで91のAI医療機器に承認が与えられているが、少なくとも1つの承認を獲得した企業は55社となる。一方、このリストを観察して興味深いと感じることは、AI医療機器が「AppleやAmazon、Googleといったビッグテック企業ではなく、GE(2022年内の承認数1位、15件)やSiemens(同2位、7件)といった19世紀創業の歴史あるメディカルテック企業から主として生まれていること」だ。なお、この後にAidoc(5件)を挟むものの、Canon(1937年創業)およびPhilips(1891年創業)が同率4位(4件)として続いている。
承認数だけで見ると、医療AIの支配的なプレイヤーは古参企業が中心となっている。ただし、利用可能なヘルスケアデータは日々拡大し、AIツールはシンプルかつ経済的、一般的となりつつあり、領域参入の間口は広がり続けている。来年以降、このリストがどのように変化していくのか関心が尽きない。
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