軽度認知障害(MCI)の早期診断は、タイムリーな治療計画策定のために不可欠な要素となる。近年のウェアラブル技術の進歩に伴い、「ウェアラブル脳波計を用いたコンピュータ支援によるMCI自己診断」に関心が集まる。
韓国ソウルの漢陽大学校などの研究チームは、ウェアラブル脳波計の設計要素を考慮しながら、MCIの効率的診断を実現するための「最適な電極配置」を調査した研究成果を公表した。12日、Alzheimer’s Research & Therapyから公開されたチームの研究論文によると、MCI患者21名と健常対照者21名から収集した脳波データセットを用い、サポートベクターマシンによって2電極、4電極、6電極、8電極における全ての電極配置パターンでの分類精度を評価した後、各電極条件において最も高い診断精度をもたらす最適な電極配置を特定している。電極数が増えるほど分類精度は向上しており、8電極では最高精度として86.85%±4.97を示していた。
著者らは「機械学習により、限られた電極数で高精度のMCI診断が可能であることを実証した」とするとともに、ウェアラブル脳波計がMCIの日常生活モニタリングに利用される可能性を想定した時、その性能と携帯性を高めるためには、電極配置の最適化が重要であることを強調している。
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