非アルコール性脂肪肝炎の患者(一部の脂肪肝患者)において、COVID-19の重症化との関連が先行研究から指摘される。米エモリー大学を中心とした研究グループでは、「DeHFt(Deep-learning-based Hepatic Fat assessment)」と呼ばれる深層学習ベースの脂肪肝評価によって、「非アルコール性脂肪肝炎患者は重度のCOVID-19となる確率が1.5倍高くなる」とする多施設研究の結果を明らかにした。
eBioMedicineに掲載された同研究では、冠動脈からカルシウム含有プラークを検出する条件のCTスキャンを利用し、撮像範囲に含まれる肝臓・脾臓における脂肪浸潤レベルを深層学習モデルにより自動計測している。高解像度・高倍率画像において、特定の関心領域における手動計測は困難であるため、これまで脂肪肝評価への利用は進んでいなかった。
主執筆者でエモリー大学医学部のAnant Madabhushi氏は「ルーチンのCTスキャンに対する機械学習の適用は、肝脂肪の正確な定量に役立ち、COVID-19の重症化リスク評価以外にも価値を持つ」と語り、2型糖尿病や心血管疾患の進行など、心代謝性疾患のマーカーとしての応用も検討している。
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