米イェール大学などの研究チームは、希少な検査リソースの最適な利用を実現するため、検査オーダーシステムにおけるリデザインの実臨床影響を評価した。研究成果は、The Journal of Applied Laboratory Medicineからこのほど公開された。
チームの研究論文によると、ガイドラインを遵守させるようなオーダーシステムを設計し、導入前後で医師のオーダー傾向にどのような変化が起こるかを観察している。期間中、5万件を超える救急部受診があったが、有症状者に対する複合感染症検査(COVID-19・季節性インフルエンザ・RSウイルス)は100人当たり11.4件から5.8件と有意に減少し、非複合検査の実施割合が増加していた。研究者らは、この取り組みによって毎週約437個の検査用カートリッジが節約できたことを明らかにしている。
サプライチェーンの制約により、希少な検査リソースの最適な割り当てが必要とされる中、EHRオーダーにおけるシンプルな再設計は、感染症検査に関するガイドライン遵守率の向上と関連することを本研究成果は示している。リソースの利用可能性が常に変化する状況においては、臨床医への教育だけでは十分ではなく、むしろ、既存のワークフローにシステムベースの介入を組み込むことで、リソースをより適切に調整し、地域社会の検査ニーズに対応することができる点を強調している。
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