医学論文探索AI「Amanogawa」

FRONTEOが開発した論文探索AIシステム「Amanogawa」は、独自AIエンジン「Concept Encoder」により、PubMedに掲載された膨大な論文情報から検索したい情報を一瞬にして抽出・分類し、位置情報として表示することができるもの。調べたい単語や文章、仮説を入力すると、それらに関連する論文が位置情報としてマップ状にプロットされ、論文情報を視覚的かつ網羅的に把握することができる。

FRONTEOは17日、日本ケミファにおいてこのAmanogawaおよび創薬支援AI「Cascade Eye」が導入されたことを明らかにした。 國上敏浩氏(日本ケミファ・創薬研究所所長)は、「近年、新薬開発の成功確率の低下、開発コストの高騰、疾病の原因ターゲット蛋白の複雑化などにより医薬品開発の生産性が著しく低下しており、当社でも様々な切り口での課題解決方法を模索しています。Amanogawa、Cascade Eyeの両システムの導入もそれらの解決策の1つであり、数多存在する論文の網羅的かつノンバイアスな解析による研究員の作業効率化や創薬ターゲット探索、当社所有の医薬品・医薬品候補化合物のドラッグリポジショニングの確度向上に期待しています」と述べている。

FRONTEOは自然言語処理に強みを持つデータ解析企業で、2003年の創業以来、グローバルな事業展開を行ってきたが、2014年からはライフサイエンス分野にも拡大し、業界の注目を集めてきた。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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