新型コロナウイルス感染症の拡大を背景とした燃え尽き症候群の深刻化を受け、医療者支援のAI活用事例が急増している。米カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くAmbience Healthcare社は、完全自動化のAI医療書記ツール「AutoScribe」の提供開始を23日明らかにした。
AutoScribeは北米の医療機関で臨床検証が進められ、医療従事者による診療録作成について大幅な時間短縮効果が示されてきた。平均で実に76%もの時間削減を実現する本ツールは、電子カルテシステムに組み込まれ、リアルタイムで動作することにより医療者のワークフローを乱さないことが特徴となる。患者との会話を「ニュアンスレベル」で把握し、高品質な文書を生成することで、医師は患者ケアに集中することが可能になるとしている。
AutoScribeは、行動医学や精神医学、老年プライマリケアといった、メモが長く、会話が複雑で、適格な医療従事者が制度的に不足しているために患者へのアクセスが困難な医療専門分野でも機能する。これまでに総額3000万ドルを調達したAmbienceは、同製品の市場展開によってさらなる成長を見込んでいる。
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