PMcardio – 循環器疾患のAI臨床アシスタント

英ロンドンに拠点を置くPowerful Medicalは7日、AI搭載の臨床アシスタント「PMcardio」を英国でリリースすることを発表した。スマートフォンアプリケーションの形を取るこの医療機器は、あらゆる医療従事者が「熟練した心臓専門医のような正確さ」で、心電図から38の心血管疾患を診断し、適切な治療を実施することを可能とするもの。

Powerful Medicalの公表によるとPMcardioは、あらゆるフォーマットの12誘導心電図データにアクセスして解釈し、比類ない精度とスピードでの心血管患者管理を支援する。PMcardioは独自のAIアルゴリズムを活用し、各患者に固有のパーソナライズされた推奨治療を提供することができる。「EU MDR-certified Class IIb」の医療機器として英国MHRAに登録されている本製品は、不整脈検出率を5倍、虚血性心疾患の診断率を8倍向上させ、特に専門医療への入口にあたるプライマリケアプロバイダーの臨床能力を向上させるとしている。

Powerful MedicalのCEOであるMartin Herman氏は「虚血時間の短縮、一次医療から二次医療への誤った紹介の制限、医師の本質的な負担軽減など、英国の医療従事者、NHS、医療システム全体に大きな利益をもたらす」として、本製品展開の意義を強く主張している。

参照動画:

Powerful Medical: Leading the AI revolution in cardiovascular care

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TOKYO analytica
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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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