Navina – 患者ポートレートの自動作成AI

米国バージニア州に拠点を置くCVFP Medical Groupはこのほど、医療AI企業のNavinaとのパートナーシップ拡大を明らかにした。「AI活用によるプライマリケア体験の向上」を掲げ、AIによる患者データ抽出を通じたデータの利活用を積極化させる。

NavinaのAIは、構造化または非構造化の臨床メモ、検査結果、画像データなど、臨床現場における複数のソースから患者データを抽出・統合し、「患者ポートレート」を作成するという技術を展開する。この独自の患者ポートレートにより、臨床医は患者の健康状態についてより包括的に理解できるように設計されているとする。CFVPは2022年にこのツールの使用を開始し、AIがケアの質を向上させ、臨床医の管理負担を軽減することに成功したという。実際にこのツールの導入期間中、同グループは受診患者の80パーセントにこのツールを適用した実績を持つ。

CVFPでメディカルディレクターを務めるJarrett Dodd医師は「我々がNavinaを日々のルーチンに導入したとき、このAIが私たちのプロセスを変革し、患者体験を向上させることを痛感した」とした上で、「Navinaは、より効率的な方法でデータを抽出する術を提供し、より質の高いケアと臨床医の簡素化された作業体験を保証し、我々のチームが患者に集中するためのより多くの時間を作り出してくれる」と述べている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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