米国医師会(AMA)は、「AI利用が患者と医師の意思決定を強化し、健康を増進する」という大きな可能性を認識し、2018年にAIに関する公式指針を採択した。以後5年間、AIのポジティブな側面とネガティブな側面に対する認識が高まるよう、指針には微修正が加えられてきた。
2023年のAMA年次総会では、代議員会で審議された3つのAI関連決議案をまとめた新たな指針が公表された。具体的な内容は以下の通りである。
1. 大規模言語モデルなど、AIの生成する医療アドバイスやコンテンツが医療にもたらすメリットや予期せぬ結果について研究し、勧告を作成すること。
2. 州・連邦政府におけるAI関連の適切な規制案を、2024年のAMA年次総会で提案・報告すること。
3. 連邦政府や関係機関との協力で、生成AIによる誤った医療アドバイスから患者を保護すること。
4. 出版物・科学雑誌におけるAI利用の規制ガイドライン制定を支援すること。なお、このガイドラインには、研究手法内でAI利用を詳記することや、AIシステムを著者として除外すること、著者がAI生成の文章の真偽を検証する責任を負うこと、などが含まれている。
AMA評議員のAlexander Ding氏は「AIは医療を変革する可能性を秘めている。我々は、技術を追い求めることを望んでいるのではなく、科学者として医療を変革することを目指したい。専門知識を駆使して、偏見や格差の拡大、誤った医療情報の拡散など、意図しない結果を防ぐためのガイドラインを構築したい」と述べている。
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