医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例最新医療AI研究経時データによる「大規模災害時の患者トリアージを最適化」

経時データによる「大規模災害時の患者トリアージを最適化」

米メリーランド大学医学部(UMSOM)の研究チームは、大規模災害発生時の患者トリアージをより最適化するため、国防高等研究計画局(DARPA)から最大730万ドル(10.4億円)の資金提供を受ける

この資金は今後3年半に渡り、外傷患者のデータを収集することで、大規模な集団死傷事故に際する医療トリアージの進歩を特定し、実施するために活用される。具体的には、R Adams Cowley Shock Trauma Centerに入院する18歳から65歳までの外傷患者の非識別化データを収集する。収集データには、現場での治療、ヘリコプターによる搬送、外傷センターでの受け入れ、継続的な患者のバイタルサイン、救命医療介入データなどが含まれる。

分単位の患者データがあれば、患者がどこで悪化しているかをより明確に把握することができ、到着時にどの程度の血液が必要なのかといった重要な答えを外傷チームに提供することができる。トリアージプロセスを進める上で極めて重要なデータの活用であるとともに、クリティカルケアにおける新しい精密医療の形として期待が集まっている。

関連記事:

  1. 将来的なウイルス感染症対策としての「AIトリアージプラットフォーム」
  2. 救急部での臨床判断を支える「新しい機械学習トリアージツール」
  3. MayaMD – AIヘルスアシスタントが「臨床医を超える正確なトリアージ」
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事