米ジョージ・メイソン大学の研究者らは、AIモデルによる病歴分析で、患者ごとの最適な抗うつ薬を選択する新手法を提案した。研究成果はThe Journal of Mental Health Policy and Economicsから報告するとともに、MeAgainMeds.comというウェブサイトを通して知見の無償提供が行われている。
うつ病患者の多くは、症状を緩和する適切な抗うつ薬を見つけるまで、複数の抗うつ薬を試さなければならない現状がある。本モデルは「患者に試してもらう薬の数を減らすことができる点」を大きな強みとする。研究チームは、360万人を超えるうつ病患者について、以前の抗うつ薬に対する反応、現在の投薬、既往歴、その他の情報に基づき、各100例以上からなる1.6万を超えるサブグループを作成した。個人情報を含まない患者情報をウェブサイトに入力することで、どのサブグループに相当するかを知ることができ、推奨投薬が明らかとなる仕組み。
研究グループを率いるFarrokh Alemi教授は「患者をサブグループに適合させることで、臨床医は同じような病歴を持つ人々に最も効果的な薬を処方することができる」と述べる。研究者らと当該ウェブサイトは、このサイトを患者が利用した場合、その情報を臨床医に伝え、最終的には「臨床医が推奨された薬を処方するかどうかを決定すべき」という点を強調している。
参照論文:
Effectiveness of Antidepressants in Combination with Psychotherapy
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