ドイツのスタートアップ企業NursITは、AIによるトータルな医療情報管理を行う看護ケアシステムを開発し、話題を呼んでいる。システムは、投薬やおむつ交換などの適切なタイミングを知らせ、業務を効率化するだけではなく、AIがケアパターンを認識し、看護師に対して新たなケア目標や必要な処置を提案するという。
Healthcare IT Newsによると、AIによる看護ケアのオートメーション化を目指すこのシステムは、ベースとなる患者情報や看護記録、生体センサーからの情報を集約することで、時間ごとの適切なタスクを看護師に提示する。CEOのHeiko Mania氏は、「AIシステムの導入により、とっさの患者対応に追われる現在の看護ケアから、事前予測に基づくより予防的なものへと変革する」としている。
米看護協会は、各施設における看護ケアの質に強い関心を示している。看護業務の遂行は、各施設にその手順・内容が委ねられており、十分にその質が評価されてこなかった。AIアルゴリズムに基づく看護ケアの標準化と効率化が進むことで、不透明な看護ケアに一定の質を確保できる可能性があり、今後に注目が集まっている。