糖尿病網膜症はカナダ国内で75万人が罹患し、医療経済に年間12億ドルの負担を与えているという。カナダの視力障害者向けリハビリサービス大手「Vision Loss Rehabilitation Canada(VLRC)」は、糖尿病網膜症のAIスクリーニングシステムで知られる「Eyenuk社」と提携し、同国内の農村部や先住民族コミュニティにとって利用しやすいスクリーニングプログラムの提供を発表した。
同プログラムは、オンタリオ州の北部および東部の農村部、遠隔地域、先住民族を対象に、Eyenuk社のAIスクリーニングシステム「EyeArt」を活用し、今後1年間に2,700件の糖尿病網膜症スクリーニングを提供予定としている。プログラム開始以前は、それら地域の住民は、診察のために車で2〜3時間の移動と、結果が出るまで最長2週間のタイムラグを強いられてきた。専門家不在の遠隔地でも実施可能なEyeArtシステムは、検査から30秒以内に報告書を作成可能で、検診の利便性を大幅に向上させるものとして期待される。
VLRCのヘルスケア・イノベーション担当副社長であるJosie McGee氏は「このパートナーシップによって、眼科医療へのアクセスが著しく欠如している地域に、適切なケアを提供する機会を得た。プログラム導入によって検査結果を迅速に届けられるようになり、これはまさにゲームチェンジャーとなり得る」と語った。
関連記事: