英Tutum Medicalは、医療機器のアラームを聞き取り、その発生源と緊急性をスタッフに知らせる音響ソリューションを提供する。BEAMSと呼ばれる同システムは、臨床検証によって看護師の「重要なアラームへの対応時間」を大幅に改善することを示すなどし、独創的アプローチによって医療アラーム問題の解決を目指そうとする。
ベッドサイドアラームは緊急性の如何によらず、ほぼ持続的に病棟に鳴り響いており、対応すべきアラームの見逃しや、医療職のアラーム疲労など、多様な問題が内在している。BEAMSシステムは、デジタルプラットフォームとスピーカーシステム、ナースコンソールで構成され、独自のWi-Fiネットワークで駆動するため、病院の既存インフラと接続する必要がないことも大きな利点となる。臨床検証においては、BEAMSモニタリングシステムの導入により、対応を要するアラームへの応答時間が84%改善されていた。Tutum Medicalは今後5年間に4730万ポンド(約78億円)の収益を生むこと、さらに現在開発中の転倒予防システムを加えることで、この収益が倍増する可能性にまで言及している。
シェフィールド小児病院のために開発され、成功を収めたBEAMSシステムは英国内で大きな注目を集めているが、このほど受賞した「Building Better Healthcare Award 2022」によってもさらにその評価を高め、グローバル展開への期待が高まっている。
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