米マサチューセッツ工科大学(MIT)において、医療AI研究および開発を先導する機関として「Jameel Clinic」がある。同所は2018年の設立以来、当該領域において著明な成果を示してきた。
Jameel Clinicの研究チームは2020年、ディープラーニングアプローチにより、1億種以上の分子プールから全く新しい抗生物質を複数同定している。これには多剤耐性結核やスーパーバグなど35種類の致命的な細菌に強力な効果を示す「ハリシン」が含まれる(参照論文)。さらに、既存アプローチに比して3年以上の乳がん早期発見を実現する機械学習システム「Mirai」の開発でも、大きな話題を呼んだ(過去記事)。
現在、Jameel Clinicでは「最先端の医療AI研究成果を多様な臨床現場で活用できるようにすること」を重点課題としており、国際的な研究機関連携や臨床連携、公衆衛生当局を巻き込んだ検証プロジェクトなどを展開し、有為な技術の社会実装を推進している。
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