COVID-19のパンデミックが進行する中、特に最前線である救急部門の医師たちは日々の経験をSNSで発信していた。その投稿は「パンデミック中の医療者における心情変化を理解するための重要なデータ」を提供している。米ペンシルベニア大学の研究チームは、COVID-19パンデミックの中で、「救急医のTwitter上での孤独や抑うつの表現が増加していたこと」をAI手法で明らかにした。
JAMA Network Openに掲載された同研究では、2018〜2022年までの間にTwitter上に公開された471名の救急医の投稿を対象に、機械学習と自然言語処理を用いた感情分析を行った。2020年3月、つまり米国で感染が広範囲に拡大した時期を境に、投稿の感情表現がどう変化したかを調査している。その結果、パンデミック以降の投稿ではネガティブな表現が有意に増え、特に孤独、不安、怒り、抑うつに関する表現が顕著に増加したことが明らかになった。
著者のAnish Agarwal氏は「救急医療従事者の間で孤独が増加していたが、おそらくこれは医療界全体での真実ではないかと推察している。これらの発見は、全ての医療従事者の”社会との結びつき”に投資する必要性を示している。メンターシップ・つながり・キャリアアップを全面的に強化することが必要だろう」と語った。
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