医療分野でのAI利用が急速に進むなか、医師を目指す医学生たちはAIについてどの程度理解し、その適用をどう評価しているか。また、研修に何を期待し、カリキュラムに何を取り入れるべきと考えているのか。これらの疑問に対して、ドイツのテュービンゲン大学の研究チームは、「医学生のAIに対する認識と教育に対する期待」についての調査を行った。
medRxivで公開されている同研究では、ドイツ国内の58名の医学生を対象にアンケート調査を行っている。医療AIに関する信頼性を5段階の尺度で評価すると、「AIは頼りになる」「技術的に有能である」と感じる一方で、「特別に信用できるとは感じていない」との結果が得られた。医学生たちは「医療AIの可能性に興味を持ち」「もっと学びたい」と考えており、特にAIの「操作方法」「倫理」「適用分野」「信頼性」「リスク」に関する教育を支持していた。
研究者らは、「AIの急速な進歩と、医療分野での可能性を考えると、医学生が医療AIに対して強い関心を持つのは驚くべきことではない」と述べている。さらに、「医学生が将来の臨床でAIを効果的かつ倫理的に利用するための知識とスキルを身につけ、アルゴリズムの限界と潜在的な偏りを理解することが重要だ」と説明している。
参照論文:
Medical Students’ Attitudes toward AI in Medicine and their Expectations for Medical Education
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