英Cambridge Consultantsは、AI技術を利用して、撮影環境に応じて生じた歪み・かすれ・ダメージ・障害物など画像診断における阻害要因を取り除き、本来の鮮明な医用画像を再構築するシステムを公開した。撮影画像から、その背景にある現実世界を描写するこの画期的テクノロジーは、今後医療にとどまらない発展が期待されている。
英医療メディアpharmaphorumが今月6日報じたところによると、DeepRayと呼ばれるこの深層学習アルゴリズムは、現実世界の「もの」がどのように見えるか、また撮影環境によって障害を受けた場合どう画像に反映されるかを学習するという。Cambridge ConsultantsのTim Ensor氏は、「すでに人の目を超えた解釈能力を持っており、このシステムが画像処理における新時代の幕開けを導く」と大きな自信をみせる。
医用画像においては、患者の姿勢に制限がある場合や、無意識の体動、出血、異物といった撮影環境を常に最適化することは難しく、非常に限定的な画像から重要な医学的判断を導くことも少くなかった。米VentureBeatの報道では、現在のデモンストレーションですでに画期的なレベルにあるほか、今後の継続学習で高精度化がさらに進むことにも触れており、画像診断の品質向上に大きな期待がかかっている。