インテルは、ブラジルのベンチャー企業Hoobox Roboticsと共同で、顔の表情だけで操作できる電動車椅子を開発した。従来の電動車椅子は、指先で操作するものが主流だったが、四肢麻痺の患者は指先で操作ができないため、新たな操作方法が求められていた。
INQUIRE.NETによれば、開発された電動車いすには、「Wheelie7」と呼ばれるAIシステムが搭載されており、利用者は笑顔や眉間にしわを寄せるなど、10種の異なる表情と車椅子の動作を結びつけることができる。システムは、Intel 3D RealSense Depth Cameraを通じて利用者の表情を3次元に認識し、リアルタイムで車椅子を操作するという。
engadgetによると、Wheelie7システムは現在市場に出ている車椅子の95%に取り付け可能だという。現在アメリカでは、プロトタイプの試験が四肢麻痺、筋萎縮性側索硬化症、または加齢による障害を有する患者60名に対して行われているようだ。アメリカの国立脊髄損傷統計センター(National Spinal Cord Injury Statistical Center)によれば、アメリカ国内には約28万8000人の脊髄損傷患者がおり、毎年約1万7700人が新たに患者になると報告されている。