医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療機器へのAI活用事例中国広東省の医療機関 眼科疾患スクリーニングAIを実用化

中国広東省の医療機関 眼科疾患スクリーニングAIを実用化

中国広東省の医療機関で、眼底スクリーニングによって失明リスクの軽減を目指すAIシステムが実用化されている。AIアルゴリズムは、中国・中山大学と、同国最大の検索エンジンで知られる百度(Baidu)の共同開発によるもの。今月末を目処に、広東省内14の医療機関へも配備を目指している。

Healthcare IT Newsの報道によると、このAIアルゴリズムは、糖尿病性網膜症・緑内障・加齢黄斑変性の3疾患を診断することができるという。眼底スキャンからレポート作成までを10秒で行うことができ、眼科医の立会いも要さない。徳清県病院のHnghu Xia医師は「医師が全ての患者データに目を通し判断するのは膨大な時間がかかる上、必ずしも効率的とは言えない」と話し、スクリーニングシステム導入の意義を強調する。

特に糖尿病性網膜症は最多の失明原因として知られ、適切な医療介入がない場合、視覚予後は著しく悪い。眼底スクリーニングの裾野を広げる機器は、直接的にヘルスケアの向上に繋がる可能性がある。百度のXu Yanwu氏は「非専門家であっても容易に機器を操作できる上、診断精度は経験豊富な上級医に匹敵する」としている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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