Biofourmis デジタルバイオマーカーがもたらす医療革新

シンガポールのスタートアップBiofourmisは、ウェアラブルデバイスによって収集する生理学的データから疾患発症予測・管理を行う「デジタルバイオマーカー」の生成を目指している。Biofourmisは3日、同社のBiovitals Analytics Engineが「医療機器カテゴリーにおいてFDA(米食品医薬品局)の承認を受けたこと」を発表した。

臨床医への高度専門情報と最新ニュースの提供を手がけるMD Magazineが3日報じたところによると、Biofourmisが今回認証を受けたのは”FDA 510(k)”と呼ばれる市販前認可であるという。市場に合法的に流通する同等機器と有効性を同じくしているか、安全性が十分に保たれているかなどを主要な判定要素とするもので、「医療機器」の米国内における販売への認可を受けたこととなる。同社がFDA認証を取得するのは2つ目で、米メイヨークリニックとの提携で臨床研究を加速させるなど、臨床的有効性の評価を重視してきた背景がある。

Biovitals Analytics Engineは、リアルタイム計測で得られた心拍数や呼吸数、活動量などの生理学的データから新しい指標であるBiovaitals Indexを算出する。心不全の増悪など深刻な病態変化を早期に捉え、治療介入までの時間を大幅に削減することができるという。同社CEOのKuldeep Singh Rajput氏は「この重要な認証を取得することは、我々の革新的なヘルスケアソリューションを一層加速させるものだ」とし、米国の市場展開への期待の大きさをうかがわせている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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