シンガポールのスタートアップBiofourmisは、ウェアラブルデバイスによって収集する生理学的データから疾患発症予測・管理を行う「デジタルバイオマーカー」の生成を目指している。Biofourmisは3日、同社のBiovitals Analytics Engineが「医療機器カテゴリーにおいてFDA(米食品医薬品局)の承認を受けたこと」を発表した。
臨床医への高度専門情報と最新ニュースの提供を手がけるMD Magazineが3日報じたところによると、Biofourmisが今回認証を受けたのは”FDA 510(k)”と呼ばれる市販前認可であるという。市場に合法的に流通する同等機器と有効性を同じくしているか、安全性が十分に保たれているかなどを主要な判定要素とするもので、「医療機器」の米国内における販売への認可を受けたこととなる。同社がFDA認証を取得するのは2つ目で、米メイヨークリニックとの提携で臨床研究を加速させるなど、臨床的有効性の評価を重視してきた背景がある。
Biovitals Analytics Engineは、リアルタイム計測で得られた心拍数や呼吸数、活動量などの生理学的データから新しい指標であるBiovaitals Indexを算出する。心不全の増悪など深刻な病態変化を早期に捉え、治療介入までの時間を大幅に削減することができるという。同社CEOのKuldeep Singh Rajput氏は「この重要な認証を取得することは、我々の革新的なヘルスケアソリューションを一層加速させるものだ」とし、米国の市場展開への期待の大きさをうかがわせている。