下顎の親知らずを抜歯する際など、神経や血管束の走行がある「下顎管」の位置関係を正確に把握し、この損傷を避けることが欠かせない。これまでレントゲン画像やCT画像から手作業で確認していたこのプロセスを、AIによって自動化する取り組みがある。
フィンランド・タンペレ大学の研究チームは、畳み込みニューラルネットワークを用い、歯科用コーンビームCT画像から下顎管の位置を正確に特定するモデルを開発した。Medical Xpressが今週報じたところによると、特段の既往歴などを持たない一般患者を対象とした場合、識別精度は人間のスペシャリストと同程度であるという。
現時点では多様な背景を持つ患者においての精度を確かめておらず、スタンドアローンのシステムとしての公開には至っていない。研究を率いたJoel Jaskari氏は「研究の目的は専門家を代替することではなく、彼らの仕事をより効率化するためにサポートすることだ」と語る。