乳房超音波検査は、乳がん検出で乳房X線検査(マンモグラフィ)を補完する臨床的有効性が示されているが、偽陽性率の高さが問題となる。超音波画像による乳がん検出において読影医をAIがサポートし、感度を維持しながら、偽陽性率と生検数を減少させる研究が米ニューヨーク大学ランゴーン医療センター(NYU Langone Health)のグループによって行われている。
NYU Langone Healthの24日付プレスリリースでは、学術誌 nature communicationsに発表された研究成果を紹介している。本研究は、2012年から2018年の間に同センターを受診した143,203名の女性を対象としており、288,767件の乳房超音波検査に基づくAI研究は世界的に最大規模となる。構築されたAIシステムは、読影医と組み合わせることで偽陽性率を37.3%減少し、生検数を27.8%減少させることができた。
乳房超音波検査に機械学習を適用しトリアージツールとする取り組みが成功すれば、マンモグラフィが苦手とする「乳腺組織の密度が高い状況での乳がん検出」に効果的となり、マンモグラフィを一部代替できる可能性もある。研究グループでは、AIソフトウェアのさらなる改良を目指し、乳がん家族歴や遺伝子変異などの追加的リスクを含めた患者情報の拡充を計画している。
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