近年、睡眠障害を改善するデジタル手法、いわゆるスリープテックへ業界全体の注力が続いている。世界で1億人以上と推算されている睡眠障害患者は、その約9割が十分な治療に至っていないとされる。睡眠障害の診断法のひとつ「睡眠ポリソムノグラフィ」は睡眠中の脳波・呼吸・眼球運動・四肢運動など多岐に渡って測定する検査法の総称であるが、専門家による結果分析が1件当たり数時間かかることもあり、負担軽減を目指した技術開発に期待が大きい。
韓国のヘルスケアスタートアップ「HoneyNaps」は5日付のリリースで、ポリソムノグラフィをAIで自動解析するソフトウェア「SOMNUM」の発売を発表している。実装される解析プログラムはディープラーニング手法により、これまで手作業で長時間かかっていた検査解析を5分以内に短縮し、従来の自動スコアリングシステムよりも高い精度を謳う。HoneyNapsの担当者によると、2022年からの米国市場参入を目指し、SOMNUMのFDA審査手続きを進めているとのこと。
2021年に入ってからは、Googleのスマートディスプレイ Nest Hubの第2世代が発表され、非接触型の睡眠モニタリング機能、パーソナライズされた睡眠のレコメンデーション機能が搭載された。Amazonでも睡眠時無呼吸症候群を追跡する非接触型ベッドサイドデバイスの開発が報じられている。2026年までに年平均成長率14%ともいわれる睡眠産業を巡っては、様々な新技術発表が続いていくだろう。
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