米医療ソフトウェアメーカーSubtle Medicalは、AIを利用した高速PET撮影技術「SubtlePET」がアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を受けたことを公表した。これにより、今後、米国や欧州経済領域(EEA)を中心に正式な医用技術としての商業展開が始まり、革新的技術の急速な普及が期待される。
SubtlePetは、特に癌診断の際に重要な役割を果たすPET画像において、従来の4倍以上となる高速撮影を実現したAIテクノロジーだ。英ウェブメディアCompeloの報道によると、現在は臨床試験の形で米国を中心とした複数の大学病院で実際に利用されているという。Subtle Medicalは「この技術は患者の負担を軽減するだけでなく、業務効率化を通して病院運営の健全化にも貢献する」として自信を示す。
癌の部位や転移の有無を効果的に調べられるPET検査は、重要な医用画像として頻用されるようになったが、測定時間の長さが深刻なコスト増大の一因とされてきた。英メディアVerdictは、Subtle Medicalが、ほかの医用画像に関してもAIを用いた高速撮影技術の開発に力を入れていることを指摘し、米国の医療費適正化にも一定の効果が期待できると報じている。