米ジョージア工科大学の研究チームは、AI技術を利用し、がん患者の生活を個別にサポートするタブレット用アプリを開発した。MyPathと名付けられたこのアプリは、手術日程のリマインドや利用できる保険の紹介だけでなく、患者の精神状態や副作用の発現状況に応じて、適切な情報提供や解決策の提案を行うことができる。
大学の先端研究を紹介するメディア・Futurityの報道によると、このアプリは、患者ごとの診断や治療計画に準じて内容が調整されるほか、定期的な質問に回答することで症状経過やニーズの変化も細かく捉え、適切な情報を継続的に提供できるという。開発を主導するElizabeth Mynatt教授は「このアプリを利用する患者は”私の必要なことを魔法のように知っている”と驚きを持ってその体験を語ってくれる」と話す。
インターネットによる情報収集が一般化し、患者は自身の疾患に対する治療オプションや予後について、独自に詳細な知識を得ることができる。一方で、がん治療は特に専門性が高く状況に応じて個別化されるため、患者側の誤った認識に基づくミスコミュニケーションも生まれやすくなっている。ジョージア工科大学によると、研究チームは、今後対象疾患や提供情報の幅を広げ、利用者を増やしていきたいとしている。